highland's diary

一年で12記事目標にします。

アイドルマスター劇場版を見に行って来た

アイマス劇場版を観に行ってきました。見に行くのはこれが二回目です。映画館は1回目が梅田ブルク7で2回目が京都のTジョイでした。以下写真

 

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 ブルク7の方はエレベーターの方もアイマス仕様だったりキャラクターポップにもサインがあったりと色々豪華で壮観でした

Tジョイにもサインはありましたが一箇所だけでしたね

 

 僕はガイナ出身のアニメタとして錦織監督が好きなのもあってアニマスは凄く好きですがゲーム版やモバマスには手を出していないのでいわゆる「非Pのアニマスファン」です。錦織監督は生き生きとしたアニメ美少女をデザインし描写するのが上手い人で、TVシリーズでいえばOPでもそれぞれのキャラの特徴を1カット1カット良く出せています。シリーズ全体の構成も、それぞれのキャラがアイドルとして羽ばたき各々の活躍をするようになったのを描いた上でその集まりとしての765プロの意味を問い直すという作りを丁寧に描いていてますね。このポスタービジュアルの一枚絵も錦織画、良いですね。ちょっと後期ガイナっぽい感じもします

 

 で、肝心の映画の感想ですがまあ一言でいうと「良くできたファンムービー」でした。ただその一言だけじゃ言い尽くせないことも多いしいくらか欠点も指摘できると思うのでもうちょっと書きます。(一応言っておくとこれを書く上で他の人の感想はあまり見ていないので既出の話も多々あると思いますがお許しを)

 

 まず映画館で観るとモーパイとかの近日公開映画の次回予告が延々続いたあとにあの劇中作『眠り姫』のトレーラーが来るわけで、このアイディアは個人的に膝ぽんでした。その手があったかと。シームレスに映画に入って行ける訳ですよ。TVシリーズ15話のキサラギ今石洋之と雨宮哲がやった)の時とかも劇中作は内容そっちのけでスタッフのお遊びというかファンサービスになってたと思いますが今回も劇中作は色々混じっててカオスな内容…でしたね。まあBD買う層としてはああいうアクション含めファンサービスですよ。

 

 OPシーンからして美希のハリウッド進出だったりそれぞれのキャラの活躍/成長が感じられるのですが、それでも春香はやはり授賞式で転ぶ…というキャラ付けを忘れない感じが良い。雪歩もちゃんと穴掘って埋まろうとするし。キャラクターでいうと伊織もTVシリーズと同じく今回は良い役どころでしたね。志保と春香の対立を取りなすという。伊織はTVシリーズでも影でいい役をしてる箇所が多く僕はTVシリーズで伊織を好きになったクチです。

 

 アリーナLIVEは映画のクライマックスを飾るに相応しい出来でした。監督の言うようにLIVEの一曲丸ごとアニメでやる、という先例の少ない試みでしたがわりとハマってました。神前さんの作曲で歌のポテンシャルも高いのですが、LIVEの一曲全部を通じての感情の高揚がちゃんとアニメで味わえるというのは結構いいものだなあと思いました。

 ライブシーンのCGですが、アクションに違和感なく組み込んでいるのはいいんですがCGを使うシーンはロングショットで(多くは俯瞰で)撮るカットが多かったですね。モーションの不自然さが際立たないようにするためでしょうけど。ストパンとかで使っていたようなCGの使い方でした。CGを使うのはやはり作画リソースに負担をかけないようにしながらダイナミックなカメラの回り込みカットとかを撮るためでしょうが、そのためかLIVEシーンはバックから遠景で撮るカットが多くなってしまったように思います。特に俯瞰のカットとかは感情移入の妨げになるのでよくないと思うのですが。

 せっかく3Dレイアウトでアリーナ会場を再現できるようにしたのだから会場全体を映すようにしながらアイドルを撮りたい!というのは分かるのですが、特に「ma@sterpiece」 のクライマックスのサビ部分で俯瞰のカットにしてアイドルじゃなくて会場を埋め尽くすサイリウムを映す、という所とかは正直うーんという感じです。直前にメンバーたちがサイリウムを「光の海」となぞらえてるしそれもかかっていて、プラスLIVEの雰囲気やファンの熱狂ぶりを再現する上で必要だったというのは分かるのですが。だからLIVEシーンは惜しい出来だと思っています。まあメンバーのカメラ目線サービスシーンとかバックダンサーの子達の可愛さとかを見るとそれも許せてしまう気がするあたりズルいですがw

 可奈が太るのは、まあ「ストレス溜まると甘い物を食べてしまう」という台詞とか、あと可奈の部屋を映す際にお菓子が映ったりするので薄々気付くんですが、やはり意表をつく感じはしますね。可奈ファンの人、怒ってないですか?とも思ったんですがそういう声も聞かないし、まあ大丈夫だったのでしょう(多分)。

 

 そしてEDはよかった。ちょっとした後日談をEDの静止画で見せる、という演出は正直弱いので、ぐっと来てしまいました。劇場版ドラえもんとかでよくあるやつですね。この見せ方は良いと思うのでTVアニメの最終回とかでももっと広まって欲しいですね。

「GO MY WAY!」はアイマスの中でもかなり好きな曲なので挿入歌で来たときは嬉しかったですね。「ラムネ色 青春」のシーンの自然体のアイドルたちもよかった。

 

 春香とプロデューサーが10年後の未来について話すシーンは思い深いシーンです。ただ自分はちょっとここで考えさせられてしまいました。この映画自体が「輝きの向こう側へ」というタイトルだし明確に未来をテーマにしているわけであって、プロデューサーが10年後の春香の可能性について話し、アイドルたちはまだまだ多くの可能性を持っていると言うわけですが、10年後とかのその可能性については絶対に劇中で描かれないんだろーなーと考えてしまったのです。本編で描かれるとしてもせいぜいが1,2年後なわけで、その未来の持つ可能性(特定キャラがPと結ばれたりとか)については各々の観る人やPの二次創作や妄想で補完するのに任せられてしまうのです。つまりその未来の「可能性」そのものが消費される対象であり、その可能性というのは決して描かれることのない薄っぺらいレトリックに過ぎないんじゃないかなーと魔が差したわけです。もちろんこれはゲーム原作のアイドルアニメとしてのアニマスの枠組みの中では仕方のないことなわけで、「その後」は決して描かれることのないわけなんですが、「輝きの向こう側」には何もないじゃないかな…と自分は考えてしまいます。ファンサービス映画だからそんなこと言っても仕用がないんですが。

 

 春香がプロデューサーによってグループリーダーに任ぜられたのは、TVシリーズ終盤においてバラバラになりかけた765プロを団結させる契機となるのが春香だったという流れを汲んでのことでしょう。ここでも765プロはメンバー全員それぞれの思惑や動機はあれど「団結」している、ということがグループのアイデンティティとして再確認されるわけですが、今回の映画でリーダーとして春香がしたことも結局はメンバーの団結を優先したことなわけで、TVシリーズとやっていることは繰り返しのようですがグリマスのメンバーがそれに触れて「成長」するというのが大きいですね。765プロの物語はやはりTVシリーズで完結しているわけで、今回「成長」の要素はグリマスメンバーに仮託されたのかなーと。もちろん「みんなは一人のために」の精神でメンバーを見捨てず「団結」を優先する765イズムというか、そういうアイデンティティをより際立たせるという意味もあるわけですが。

 グリマスメンバーもTVシリーズの765プロのように、可奈に代表されるダンスも不得手で消極的な子たちと志保を代表とする個人主義的でドンドン前に出たいと思っている子たちがいるけど、その子達の擦り合せが、春香をリーダーとする765プロのメンバーに触れることで解消されグループとして団結し「成長」する、そして765イズムを「継承」することにもなるーーという流れができていたのかな、と。

 グリマスメンバーは765プロのメンバーをラジオやTVで見聞きしているわけで、そういう「お客様」として入ってきたメンバーがちゃんとグループの一員になる過程が描かれていたのですよね。

 ただ、春香と対立していた志保が「このステージは私が思っていたよりずっと重たかったから」というシーンは、ちょっと圧力に屈したような感がありましたw。TVシリーズ25話で積み重ねてきたその765イズムの伝統には、私ごときの個人主義では太刀打ちできないから屈するーーみたいなね。映画では相互から歩み寄るように描かれていましたが、「重かった」という台詞はどうしても圧力というかプレッシャーを彷彿とさせるし、実際には志保が折れる形で終わったわけだし。

 

 前半はメンバーの成長を示すサービスシーンで、全体としては春香の演説→アリーナライブにつなげるためにドラマが積み上がられていくような作りでしたね。「ライブシーンのための映画」という評価もまあ分かります。前半で吉澤記者が春香に諭すシーンとか千早と春香がバーで会話するシーンなどもそこへつなげるためのいわば伏線の役目を果たしているわけで。プロデューサーの渡米というのも、緊迫した状況を作り出し春香に積極的な行動をさせるためのドラマ上の要請から来ているのだろうし。

まあ今回の映画の総括としては「いくつか文句をつけたくはなるけどこれ以上の出来は期待できないくらいだし、良くできたファンムービーだったよね」ということで。

 

余談ですが映画だとメンバーの使ってるケータイは、確認できる範囲だと

真ースライド式のガラケー

春香ーパカパカ式のガラケー

亜美or真美ーパカパカ式のガラケー

でしたが(伊織はスマホだったような気が)、グリマスメンバーは皆iPhoneなどスマホだったので時代が反映されてるというか、アイマスメンバーの方の時間が2000年代中盤で止まってる感じもしますね

 

2回目の視聴で「ミリオンライブ!」メンバーのキャラデを鈴木大さんがやってることを知りました。今『妹ちょ』のキャラデをやってる人ですね。そう思うと似ている気がしますねー。

あと、可奈が合宿の舞台裏でお菓子食べてる所を春香が声かけるシーンが何故か2コマ作画で異様に滑らかに動くのはちょっとおかしかったですね。あれは何だったんだろう。