highland's diary

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マイベスト<美少女アニメ>エピソード10選

今回、以下の企画に参加させていただきました。「作品としてはベストに選ばないけど好きな話数」がコンセプトとのこと。

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・「マイベストエピソード」選出ルール

・ 劇場版を除くすべてのアニメ作品の中から選出(配信系・OVA・18禁など)
・ 選ぶ話数は5~10個(最低5個、上限10個)
・ 1作品につき1話だけ
・ 順位はつけない

自分のオリジナルではなく、他のブロガーさまの企画に乗っかって書くという点について、まずはご容赦いただければと思います。もちろんその分の責任もあるので、本腰を入れて書かないといけません。

今回は自分のテーマとして、「(広義の)美少女アニメ」からセレクトするということにしました。「美少女アニメ」という枠自体にとりわけ深い意味はないのですが(なのであまりツッコまないでくださいね)、名作回が極めて多いであろう「メカもの」「スポ根」「アクション」……などを封印したうえで、見どころのある回を勧められればと思いこの枠にしました。とっつき易そうという意味もあります。

とはいっても、枠にはあまりとらわれず、美少女ゲーム原作からニチアサまで思いつくままに好きな回を入れたので、ダイレクトに好みが出ているかと思います。

話数単位ということで、1話完結回をわりと多めにして、以下のようなセレクトになりました。

迷い猫オーバーラン!』第1話「迷い猫、駆けた」

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監督・脚本・絵コンテ・演出:板垣伸作画監督石川雅一

 『迷い猫』、意外と好きな人が多いみたいで個人的には嬉しいです。バラエティに富んだ内容の中でも、1話は総合的に見てレベルの高い回だと思います。

『迷い猫』は各話監督制のほぼオムニバス形式でありながら、シリーズ全体で一つの筋に通ったストーリーをするということをやっています(これについて、放映当時はいろいろと毀誉褒貶がありましたが)。

で、普通に考えてこういった形態の作品の1話ってすごくハードルが高いと思うんですよ。

・まず、1話の役割として、舞台設定や各キャラクターの人物像・背景についてはしっかりと 説明しなければならない。

・2話以降の監督がどう原作をアレンジするかがわからないので、原作の世界観・キャラから逸脱し過ぎてはいけない。加えて、2話以降の内容については責任が取れないので、1話で出した要素や伏線は話数内で全て完結させなければならない。

・もちろんエピソード内にドラマの盛り上がりを作り、一本の作品として見応えあるものにしなければならない。

 以上の三条件が前提として課されているわけで、まずこれを全て達成した1話になっているのが凄い。

 内容を見ると、ストレイキャッツの面々と芹沢文乃、梅ノ森千世、三人くらいの視点でイベントをパラレルに進行させたり、結構アクロバティックなことをやってるんですよね。かなり強引な説明台詞も、インパクトのあるマンガ的な絵を積み重ねることでテンポ感を持続させている。

アバンタイトルの意表を付くパンチラもそうですが、「一秒も無駄にしてはならない」という意識のもとで作られているのが分かる。出崎さん風に言えば「時間を無駄にしてはいかん!」という感じ。

 また、それだけでなく、この挿話はヒロインである芹沢文乃(伊藤かな恵)のパーソナリティを掘り下げた回になっているのが高ポイントです。

あくまで彼女は記号的な「ツンデレ」で「意地っ張り」ヒロインなんだけど、それを単に記号的に処理するのではなく、弱者を救うことに敏感であるという描写を重ねることで、過去の生い立ちからパーソナリティを説明している。それでいて変に湿っぽくならず、泣かせとコメディのバランスで見せるのが優れていると感じます。

板垣監督のコメディとしては『ベン・トー』とも『てーきゅう』とも違った感触があって、そこも魅力です。

 苺ましまろ』第2話「アナ」

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脚本:横手美智子/絵コンテ・演出:神戸守作画監督:阿部達也

日常系美少女アニメの金字塔である『苺ましまろ』。

1話で伸恵家周辺の4人を描いて、2話はアナ・コッポラの初登場回ですね。

2話はアナのエセ英国人キャラによって生じるコミュニケーションの齟齬を徹底的にギャグにしている。転校初日の話から始まり、学校での会話劇があり、最後に名字が出ることで全体のオチになっている。

「間」を活用したギャグがツボにハマる回で、アナが膝を付くとか、美羽がへたれこむとか、ギャグカットを出すタイミングが見事。

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加えて、おそらくアナと重ね合わせる形で、「桜」がフィーチャーされています。転校先での失敗や、悲喜こもごもも含め、新たな出会いを祝福するって意味も感じられますね。地面の溝に桜の花びらが溜まっていたり(情景)、アナの気持ちを代弁するかのように桜が排水口を下流に向け流れて行ったり、こういう丁寧な描写が地味にいいです。

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2話での「ぐぬぬ……」は後にネットミームになった。

 神戸守ファンの間では昔から6話「真夏日」がかなり評価高くて、この前のアニメスタイルでの特集でも結構6話の話題は多かったですね。もちろん6話も技術的に凄いことやってる回ですが、2話は「原作の『苺ましまろ』の面白さを、一番最初に的確にアニメで表現した」回というところがあって、魅力に感じています。

 余談ですが、神戸守さんのコンテ回は苺ましまろバッカーノ!がオススメ。

 『セラフィムコール』第7話「柊彩乃〜<私>という逆説(パラドクス)〜」

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 脚本:村井さだゆき/絵コンテ・演出:原博/本橋秀之

セラフィムコール』は1999年放映の深夜アニメ。

小津映画やサンダーバードのパロディをやったり、はては固定カメラの長回し・時系列シャッフルなど、実験的な要素を数多く取り入れたことで知られています。そのせいか、今や美少女アニメ混迷期を象徴する怪作」みたいに語られることの多くなったシリーズですね。

ちなみに、熱い『セラフィム』語りとしてはturnxさんの以下の記事が印象深い。

ヒロインオムニバスアニメとセラフィムコール - 生ビール

 

(そういうわけで、)今となっては(熱心なファン以外は)『セラフィム』をシリーズ通して見る意味はそれほどないかと思うのですが、エピソード単位で見ればわりに楽しめる回も多く、中でも7話は出色の出来です。

7話は25歳の英語教師・柊彩乃をヒロインとした「数学アニメ」がコンセプトになっています。 初見時、数学の定理や論理学をそのままストーリーの構造に取り入れている点に驚かされ、「こういう着想からのお話の作り方もあるんだ」と、感心したところがあります。もっとも、こういう発想で脚本を書く人は、アニメ界で村井さだゆきさんくらいでしょうけど。

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お話のアイディアは、大体「『ゲーデル不完全性定理』の道具立てを用いて作品を入れ子の構造にし、それにタイムパラドックスを絡め、無限ループにする」というもの。非常に観念的なテーマですが、「扉を開く」ことを契機に「自らを解き明かす」という幻想的な演出になっている。それでヒロインの心情に沿ってお話が進むので、自然と見ていられるんですよね。こういう、ロジカルでいて気の利いた構成は好きです。

裏テーマとして示される「愛」が、観了後に不思議な感動を残すところが気に入っています。やや大げさに言えば、裏『千年女優みたいな話になってるんですよ。

フタコイ オルタナティブ』FILM-03「エメラルドマウンテン・ハイ」

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 脚本:金月龍之介/絵コンテ・演出:平尾隆之作画監督:山本佐和子

「電撃G's magazine」の読者参加企画『双恋』のアニメ化第二弾であり、探偵モノとしてリアレンジされた『フタコイ オルタナティブ』。

下町ラブコメディともアクションともスラップスティックともつかない独特の作風で、オンリーワン感の強い作品です。

探偵事務所に居座ってる沙羅・双樹の白鐘姉妹少女と 主人公・双葉恋太郎 は二人ではなく三人で居るのが心地よい関係で、その共同生活を続けようとしている。つまりモラトリアムなんですが、それがいつか終わってしまう予感というか、 どこか刹那的な感じもあって、それが作品全体に叙情をもたらしています。ドラマ的には7 話から9話までの流れがハイライト。

3話「エメラルドマウンテン・ハイ」は、主人公とかつて関係のあった桃衣姉妹が登場する回。桃衣姉妹からの依頼遂行に重ねる形で、過去が回想される。清算されるかつての桃衣姉妹との関係が、今の白鐘姉妹との関係に照射されることで、三人で居られる現在がより一層愛しく感じられる。同時に、失われた夢や思いへの追憶から、痛みが残る。

挿話としてはコーヒーの銘柄である「エメラルドマウンテン」の使い方が上手く、有り体にいえば、自販機で買える缶コーヒーは日常に埋もれているちょっとした「特別な何か」なんだけど、現在から見れば過去への苦い思いみたいなニュアンスもある。

内面描写としての「エメラルドマウンテン・ハイ」をはじめ、ちょっと異様な雰囲気も目立つ回です。平尾隆之さんの、ホラー嗜好が出た回かもしれない。

フタコイの特色でもあった、時系列を入り組ませる構成や反復芸がもっとも効果的に活かされている回でもあります。

白鐘姉妹との馴れ初め話である7話「双葉恋太郎最初の事件」と併せて見るのがオススメ。7話はモラトリアムな空気感の演出が素晴らしいです。

『Gift ~eternal rainbow~』10th Gift「奪われた過去」

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脚本:香村純子/絵コンテ:きみやしげる/演出:古賀一臣/作画監督:東海林康和

『Gift』は美少女ゲーム原作アニメで、制作スタジオはオー・エル・エムの岩佐チーム(後のWHITE FOXですね)、キャラデは田中基樹(=天衡)さんという変わり種。

 Giftの10話といえば以前は『Shuffle!』の空鍋とセットで語られることが多かった回で、ヤンデレヒロインと化した木之坂霧乃の「(一人)糸電話」(9話)が原作クラッシャーとして話題になりました。

喰霊零以前のあおきえいの面目躍如として語られることの増えた空鍋回に比して『Gift』はそれほど聞かれなくなりましたが、特に10話は見るべきところも多い回です。

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嫉妬で豹変し、爪を噛み切る霧乃。宮崎羽衣さんの演技も光る

 
二人の思いが通じ合うことで願いを叶える魔法のような力「Gift」がこの作品のキーアイテムで、それは人を幸せにするためのものだけど、裏切りと結びついて人を暗黒面に落とすこともある。その暗黒面が出たのが9話から10話にかけての展開だといえます。

10話のシナリオが優れているのは小道具の使い方です。プライベートなつながりとしての糸電話に加え、思い出を補強するぬいぐるみとカップ。願いを叶えても誰も幸せにならない皮肉を表すかのように掛かり続ける虹と、止まない雨。

幼馴染の霧乃は主人公との思い出が仇となりピアノ曲を最後まで弾けなくなっていて(このピアノを挿入曲として使うのも良い)、それは糸電話のエピソードに繋がる。

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 この糸電話の作劇。後のねらわれた学園『たまこ』に比べると描写の厚みはそれほどないけど、与えるインパクトは十分。本編で1話から描かれてきた、ヒロイン二人の修羅場の総決算ですね。

To Heart』第13話「雪の降る日」

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脚本:山口宏/絵コンテ:高橋ナオヒト/演出:高橋ナオヒト、深沢幸司/作画監督:斎藤英子、千羽由利子

初代To Heart』(’98)といえば、間違いなくギャルゲー原作アニメのマスターピースの一つです。

ギャルゲーのヒロインであっても立体的なデザインで描き、そこに肉体を伴って存在するかのようなリアリティを重視する。何気ない日常に焦点を当て、生活の描写を克明に描く。大林宣彦の青春映画みたいな渋い作風なんですが、それでもこの思想の一端は、ゼロ年代に入ってからの京都アニメーション美少女ゲーム原作アニメにも引き継がれていると感じます。

ベスト作品に選ぶような作品の挿話から選ぶのは反則かもしれませんが、まあこれを選ばなければ、自分に嘘を付くことになってしまうので。最終話は何回も見返して、そのたびに感嘆します。

この回は、前の12話に引き続き志保とあかりの回ですね。クラスでひらくクリスマスパーティーがあり、その買い出しにかこつけて志保が主人公の浩之ちゃんと抜け駆けデートしてしまう。それを知って幼馴染のあかりがもやもやしてしまう、ってところまでが前の回の話で、最終話で、いよいよクリスマスパーティー本番の話です。

この回のハイライトシーン二つあって、一つ目は風邪で欠席したあかりのお見舞いに行った志保とあかりが会話するところ。二つ目はパーティ当日に風邪を治し、遅れて家を出たあかりを浩之が迎えに行くところ。

前者のシーンはある意味三角関係の修羅場なシーンなんだけど、大袈裟に感情を吐露したり愁嘆場を演じるでもなく、二人ひたすらに淡々と会話を交わすだけです。それでもドラマ上決定的なことが行われているという感じがひたすらに伝わってくるのが凄い。

ドラマ上は志保がここで引き下がるわけですが、湿っぽいところがなく、爽やかな青春の1ページという具合にまとめてしまうのがすごいというかズルいというか。

後者も名シーンです。有名な、キスをしないラストシーン。キスをしない代わりに、マフラーをかける芝居があって、こういうところが本当に美しいです。

ef - a tale of memories.』第2話「upon a time」

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 脚本:高山カツヒコ/絵コンテ:帆村壮二/演出:大沼心作画監督:潮月一也、古川英樹

アニメブロガーのガキモードさんもブログ記事で書いているように、新房シャフトの作品は基本的に感情移入をはねつける、異化効果の側面が強い。まどか☆マギカのTV版などもその延長線上にあるように思う。

その一方で大沼シャフトのefは凄く没入感の強いフィルムになっていて、新房さんがセーブかけちゃうようなところを全力で一点突破していくようなところが心地良かったシリーズ。特に1期はどの回を見ても抜群に面白かったと思う。

(10話のカウントダウンにしても、正攻法だとああいう見せ方は全然思いつかないはずなんだけど、じっさいに見てると非常に効果的なんですよね)

 

1話で主役と成る三組の男女の印象的な邂逅を描いた後、キャラクターがそれぞれに抱える背景を描き、物語のスタートダッシュとなる2話。

帆村荘二さんの絵コンテはわりと大沼さんの1話よりソリッドな作りで、アップとロングのつなぎ、広角・望遠の入れ方が映像のダイナミズムを感じさせる。ナメものの象徴主義、線路と光。それは静かな予兆を感じさせるもので、この挿話の演出として最適だったと思います。

寄せる雲/波の叙情が印象的で、それがラストにガッと結集してくる感じがする。 

ラストからエンドロールにかけて、次回へのヒキの演出が素晴らしい。この高揚感はちょっと忘れられないです。

ふたりはプリキュア!』第8話「プリキュア解散! ぶっちゃけ早すぎ!?」

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脚本:清水東/(絵コンテ・)演出:五十嵐卓哉作画監督:爲我井克美

 プリキュアに選ばれたなぎさとほのかの二人が初めて喧嘩をしてしまうけど、それにより距離が縮まるという回で、バディものとして二人の絆を深め確かめ合う、今後の礎となるエピソード。素晴らしい百合回ですね。

恥ずかしながら、初代プリキュアはリアルタイムでほとんど見ていなかったんですよね。この挿話は後追いで見てとても面白かったので記憶に残ってます。もっとも、プリキュアファンの間に限らずかなりの有名回なので、自分が語るほどでもないのですが。

構成も演出もお手本のような上手さ。ハコ書きしてみると、驚くほど圧縮されたストーリー。

ほのかの幼馴染をきっかけに二人に気持ちのスレ違いが生じるんだけど、相手と自分との相違を認め、友達としての一歩を踏み出すまでの話を丁寧に描く。プリキュアとしての絆を確かめ合うアイテムや、戦闘シーンイベントまでも全て本筋に絡ませて無駄のない構成になっているのがポイント。

冒頭からのマシンガントークに気を取られているうちに展開に自然に呑み込まれてしまう導入の上手さもさることながら、東映演出家のお家芸のような反復/対比の積み重ねと、エモーショナルなシーンでのカッティング、光と影の演出。

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ここの技巧的な切り返しもふつうの発想じゃなくてなんか凄い。ほのかのソツのなさと、置いてけぼりにされるなぎさの感じ

 『青い花』第1話「花物語

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 脚本:高山文彦/絵コンテ・演出:カサヰケンイチ作画監督:木本茂樹

 はあ、小林七郎さんがいた時期のJ.C.STAFFの尊さ……。

 

美少女アニメ」と言うには違和感がありますが、原作が「マンガ・エロティクス・エフ」に連載されていた百合マンガということで、セレクトとしてはありだと思います。

 万城目ふみ(ふみちゃん)と、奥平あきら(あーちゃん)が、高校入学と同時に再会する。

この1話は初めて見たとき、脳天をガツンと殴られたような衝撃がありました(ノイタミナの『放浪息子』より前でしょうか)。これ以上ないくらいに無駄のない構成と演出で、1話でちゃんと完結している。というかあまりに綺麗にオチていて満足してしまったので、「もうこの1話でこのアニメ終わりなんじゃないのか?!」と瞬間的に思ってしまったくらい。

私事ですが、少女漫画のアニメ化について、個人的な興味から調べていた時期があって。『カレカノ』『花より男子』『ホスト部』『メイド様』『君に届け』『ハチクロ』等のタイトルについて、アニメ版の1話を原作マンガと比較して、どう映像化しているかについて調べていました(結構面白いんですよね、こういう作業)。その中でも、『青い花』は抜群に上手いという感触を持ちました。

つまり『青い花』の1話も、原作と比較してどう足し算/引き算をしているか、という観点で見て面白い1話なんですよね。ラストに向けて、どのような描写をプラスしているか。行間を絵にするにあたってどの台詞を足して、どのモノローグを削っているか。どう構成をリアレンジしているか。それはどういう目的によるものか。

青い花』のアニメはそういう楽しみ方をする余地もあるだけの、充実した映像化だったと思います(もちろん、原作抜きに見ても最高に楽しめるはずです、念の為)。

放課後のプレアデス』第8話「ななこ13

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 脚本:浦畑達彦/絵コンテ:春藤佳奈、佐伯昭志/演出:玉田博/作画監督:橋口隼人、空賀萌香

 最近のアニメで印象に残っている回はこれですね。作品自体については特に説明は不要でしょうか。

太陽系外までの探索ミッションに赴くななこの視点で、宇宙の寂寥感と家族との距離感が重なり、彼女にとってプレアデス星人が特別な存在である理由も語られる。

ななこにとっては半日の出来事でもすばる達4人にとっては三ヶ月間のこと(ウラシマ効果)で、それでも景色を共有したい思いと絆の強さが、0.25光年をギュッとゼロまで縮める。

シンプルな構成だけど、人智で把握しきれないスケールの宇宙の事象や距離に、人間の感情を仮託するっていうのがロマンチックで、良いエピソード。

ひかる回の4話にしてもいつき回の5話にしても、それぞれに彼女たちが自らに化した限界を越えていく話になっていて、8話もまたななこが家族や仲間を巡り答えを見つけ、踏み出す姿が描かれていたように思います。

エッジワース・カイパーベルトオールトの雲

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ここはpowers of tenですよね。SF的サブテキストも駆使してテンションを高めてくれる。

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あくまでお遊びではあるけど、ななこはボイジャー計画・パイオニア計画を更新する探査機のつもりで太陽系の果てに赴く。彼ら無人惑星探査機の自意識・孤独を描いた『人類は衰退しました』3巻のエピソードも思い出されます。

 


総括

・サトジュン作品から何か選ばなければ手落ちかな~と思っていたのですが、カレイドスター魔法Tai!も、単体というより全体の流れで好きなところがあって選ばなかったです。

・あと、こういうセレクションだとついつい『瀬戸の花嫁』『ギャラクシーエンジェル』『うる星やつら』とかの傑作回を入れたくなってしまうのですが、「ギャグ枠」になってしまうので外しました。

・もし1作品1話の条件じゃなかったら、『ギャラクシーエンジェル』の好きな回だけで10枠埋めてしまうっていうくらい『ギャラクシーエンジェル』シリーズは好きです(自己紹介)。

 企画に参加して、じっさいに書いてみて思ったのは、自分に正直に選んでいくと、自分の好みとか価値基準とかが明確になってきて面白いな~っていうことですね。人からもそれが見えてしまうと考えると、正直ヒヤヒヤしますけど……。ブログに書かないまでも、アニメファンの人であれば自分の「ベストエピソード」を考えてみるのも、何かしら発見があって面白いかもしれませんね。

 

・『迷い猫オーバーラン!』はバンダイチャンネルで1話無料、『ef~a tale of memories~』もバンダイチャンネルで視聴可能です。苺ましまろ』『フタコイ オルタナティブ』『Gift ~eternal rainbow~』『ToHeart』『ふたりはプリキュア!』『放課後のプレアデス』はdアニメストアで視聴可能(2016/08/31現在)。

・『セラフィムコール』『青い花』は現在配信している動画視聴サービスがないので、DVD・BDからどうぞ。