highland's diary

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2017年上半期新旧映画ベスト10

 
あまり更新しないのも何なので、上半期に見た映画91タイトル(新作旧作含む)から良かったものを紹介。
 
アニメブログなので、アニメ関連の更新をするべきだろうけれど、ネタ的に書いたりするのに時間かかりそうなので。
 
それでは余計なことは言わずに、以下新旧からベスト10。
 
〇『4分間のピアニスト』('06)
こういう、ラスト数分のために全てがあるみたいな映画大好きなんですよね。
これもナメの構図とか動線の演出とか凄く良いですよ。
 
〇『ある戦慄』('67)
こういう、サイコパスが動機とかなしに暴れ回るみたいな映画大好きなんですよね。
白黒画面で明暗のはっきりしたパキッとした撮影で、密室空間のレイアウトに凝っていて見どころあり。
 
〇『バロン』('88)
テリー・ギリアム監督作で、『未来世紀ブラジル』と同じように夢と現実がごちゃごちゃに錯綜するトリッキーな映画なのだが、こちらは官僚主義ディストピア譚ではなく英国ファンタジーで、フィクションに耽溺することの喜びを純粋に感じさせてくれる……そんな名作になっている。フィクション=嘘の美しさを信じられる、という人はぜひ見てほしい。
 
〇『はなればなれに』('64)
タランティーノが好きで、自分の会社の名前に付けた(A Band Apart)というゴダール作品。パルプな犯罪小説を遊び心あふれるアレンジで映画化してある。この時代のフランスの若者の奔放さが良いし、ゴダールらしくナレーションが映画の内容に注釈つけてくるんだけどそれもヘンにうざったくなくて良い。
 
〇『告白』('10)
前半がほぼ完ぺきな映画。冒頭30分松たか子がずーっと長台詞で語り続けるんだけどこれがめちゃかっこいい。
全部で四部構成くらい(?)で、それぞれに視点人物を切り換えることで「実はこういうことでした」というのを段階的に明らかにし、興味を引っ張っていく。映像がすべて記号化されてペラペラなんだけどそれは今日的な感覚に上手くマッチしてるんじゃないかな(嫌いな映画ファンもいるみたいだけど私は普通に好きです)。中島哲也さんは(原作との距離の取り方って意味でも)最近のアニメ監督に近いスタンスで原作を映像化してるなと思う。
 
〇『独立愚連隊』('59)
日中戦争題材の和製アクション。この時期の日本映画なのでめちゃお金かかってるし、日本語中国語二ヶ国語で本格的。岡本喜八監督作なので映像的にスタイリッシュ。『日本のいちばん長い日』は長いし重たいので、こっちの方が圧倒的に入りやすいと思う。戦争を扱っててもどこかカラッとしたエンタメになってて洋画的に見れる。ラストもすごく西部劇ぽい。個人的には次作の『独立愚連隊西へ』よりも好きかな。
 
〇『ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』('15)
2015年のアカデミー長編アニメ賞を『インサイド・ヘッド』と競った作品。サイレントのパペットアニメだが、音楽も映像もめちゃくちゃ御洒落でびっくりした。
余談であるけど、フランスアニメ映画の『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』('12)も凄く良いですよ。『ズートピア』を淡い画調の手描きアニメでやってる感じで。
 
暴走族からあぶれたアウトサイダーがスーパー右翼の政治結社に入るって筋だけでめちゃくちゃにぶっ飛んでますが……暴走族がわらわら集まっているさまを広角レンズで撮った画だけで面白すぎる。ツッパリのダミ声が耳に残る。ラスト最高。nemanocさんが「人がバイクになるから実質ウテナ」と評してたけど、これに関してはネタでなく本当にそうだなあ~って気がする。
 
〇『サムライ』('67)
アラン・ドロン主演、ジャン=ピエール・メルヴィル監督のフランス映画。恐ろしいほど’90年代頃の北野武映画に似ている。『その男、凶暴につき』とか。
 
〇『少年と自転車』('11)
ダルデンヌ兄弟の映画(若林信さんがお好きみたいですね)はこれが初めてだったが大傑作で、後輩の人と二人で「すげえすげえ」って言ってた。まあカンヌを獲るような作品なわけだけど。世の中にはこういうどうにもならない、ぞっとするような残酷なことがあって、また一方でこういう救いもある……というのを淡々と見せつけてくる感じ。
ダルデンヌ兄弟特有の演出法として、35mmレンズでドキュメンタリー風に撮影しており、会話シーンでもあまり切り返しを使わずに手持ちカメラで二人の顔を行ったり来たり追いかけて撮ってる。ダルデンヌ兄弟の映画はどれもそうだが、ドキュメント風の演出で、説明的な描写を全く入れないので最初のうちは誰が誰かも分からないのだけど、30分くらい見ていくとドラマの大筋がちゃんと必要十分に分かるようになっていて、まるで魔法のようだと思う。