highland's diary

一年で12記事目標にします。

「’10年代のTVアニメ各年ベスト」企画の集計結果発表

highland.hatenablog.com

 

2019年の11月~2020年の1月にかけて「'10年代のTVアニメ各年ベスト」という企画をTwitter・ブログ上で実施しまして、その集計結果の記事を出せていなかったのですが、このたび2年越しに出すことにしました。

Twitterでのハッシュタグ付きツイートのほか、以下の7つのブログにてコメント付きで投票いただき、合計383人に投票していただきました。

ご協力ありがとうございました。

hokke-ookami.hatenablog.com

kyuusyuuzinn.hatenablog.com

toriid.hatenablog.com

privatter.net

proxia.hateblo.jp

www.icchi-kansou.com

turnx.hatenablog.com

最初に掲載した自分の記事にも書いていますが、企画の趣旨をまとめると

・2010年代のTVシリーズのアニメ(Web配信のシリーズ作品含む)からベスト10作を選ぶ
・各年につき、その年のベスト1作を選出する

となります。

例えば、2019年時点での自分の投票作は以下のような感じです。

10年:探偵オペラ ミルキィホームズ
11年:放浪息子
12年:戦国コレクション
13年:琴浦さん
14年:ソードアート・オンラインII
15年:六花の勇者
16年:Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-
17年:プリンセス・プリンシパル
18年:ダーリン・イン・ザ・フランキス
19年:約束のネバーランド

https://twitter.comsh/statsそのus/1439825315589545984?s=20

1年につき1作と絞る利点としては、ある特定の年の作品に票が偏ったりするのを避けられることと、その方が集計した際に通時的な見方ができることがあります。

各年の作品から選出するという縛りがあることで、10年間にわたって作品を見てきたような、ある程度玄人なファンの意見を集められるのではないかという見込みもありました。

また、投票の際はある程度ルーズなレギュレーションだったのですが、今回集計するにあたっては以下のようなルールを定めてそれにのっとり行いました。

  • 年をまたぐ場合は前年の作品としてカウントする

例えば2014年10月~2015年3月に放映された『SHIROBAKO』は2014年の作品と見なします。仮に2015年ベストに『SHIROBAKO』に投票した人がいた場合、その票は死票になります。

 

  • 同じタイトルの続編や、2期、3期等は別作品としてカウントする

これについてはごく当然ですが『ヤマノススメ』(第1期)と『ヤマノススメ セカンドシーズン』(第2期)は別作品としてカウントされるということです。

ただし、いわゆる「分割2クール」作品については、基本的には同じ作品として考え、タイトルが変わる場合のみ別作品としてカウントしています。

例えば分割2クール放映の『Fate/Zero』の一期と二期は同じ作品としてカウントされますが、『デュラララ!!×2承』と『デュラララ!!×2転』は別作品としてカウントされます。

 

  • 同じ人が1年に2作品以上投票した場合、死票にはしない

例えば、レギュレーション違反で2017年ベストに「けものフレンズ宝石の国」と投票した人がいた場合、それらを死票にはせず「『けものフレンズ』に1票、『宝石の国』に1票」としてカウントしています。

本来であれば、例えば2作品に投票があった場合は0.5票ずつ投じたことにして適切に重みづけを分散する、といったやり方が良いかもしれませんが、集計が煩瑣になることと、分散して投票できることになると当初の趣旨に反するのではないかと考えて、このようなやり方にしました。

ちなみに、二重投票については、ランキングに影響を与えるほどの数はなかったと付言しておきます。

それでは、以下にランキング形式で各年のトップ10を発表いたします。

 

2010年 1位 - 四畳半神話大系【46票】

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現在でも根強い支持を受ける『四畳半』が、'10年代の記念すべき初年度の1位になりました。

最近だと原作小説を翻案元として『四畳半タイムマシンブルース』のアニメ化が決定したりもしています

2010年前後はノイタミナがメジャーになり出した時期でもありますし、湯浅政明監督と森見登美彦は’10年代を通じて売れっ子になっていったため、その象徴となるような結果ではないでしょうか。ことに森見登美彦については、文芸方面の出自からアニメオタクになった人が漏れなく好きな印象があり、批評家受けする面は大きいかと思います。

そして、1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - 四畳半神話大系【46票】

2位 - けいおん!!(2期)【42票】

3位 - STAR DRIVER 輝きのタクト【28票】

4位 - Angel Beats!【21票】

5位 - ハートキャッチプリキュア!【18票】

6位 - ソ・ラ・ノ・ヲ・ト【17票】

7位 - 探偵オペラ ミルキィホームズ【14票】

8位 - 刀語【11票】

8位 - ストライクウィッチーズ2【11票】

10位 - ヨスガノソラ【10票】

 

けいおん!』の2期が『四畳半』と接戦になっているのが面白いですね。

けいおん!!』以外にも『ストライクウィッチーズ2』があったりと、まだこの時期はゼロ年代の名残がありますが、一方で『スタドラ』や『ミルキィ』1期があったりと、オリジナルのIPの健闘ぶりも光ります。

個人的には、2010年は『Angel Beats!』と『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』の年だったという印象があり、ともに野心的なオリジナルアニメとして発表されましたが、どちらも最終話で賛否が分かれる結果になった…と記憶しています。

 

2011年 1位 - 魔法少女まどか☆マギカ【86票】

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2011年は圧倒的な大差を付けて、『まどかマギカ』が1位という結果になりました。今回のランキングでも383票中86票とトップの票数を獲得しており、’10年代の最重要作(であり、’10年代前半の顔)と言えるのではないでしょうか。

 

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - 魔法少女まどか☆マギカ【86票】

2位 - 輪るピングドラム【34票】

3位 - STEINS;GATE【26票】

4位 - 花咲くいろは【22票】

5位 - あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない【17票】

5位 - Fate/Zero【17票】

7位 - THE IDOLM@STER【12票】

8位 - 境界線上のホライゾン【10票】

8位 - ジュエルペット サンシャイン【10票】

10位 - UN-GO【8票】

10位 - 日常【8票】

10位 - 放浪息子【8票】

 

2011年はアニメ界にとって驚異的な年で、今でもアニメファンは大体知ってて見ているような作品が上位ランキングを占めており、『あの花』など社会現象になったタイトルもいくつかあります。’10年代で最も豊作の年と言えそうです。

アイマス』や『Fate』はこの後雪崩を打ったかのようにアニメシリーズが展開されましたし、『ピンドラ』で幾原監督は14年振りにアニメ監督として復帰し、『花咲くいろは』はその後のP.A.WORKSの作風を決定づけたと言っても過言ではありません。

個人的には『TIGER & BUNNY』【6票】が圏外だったのがやや意外で、それだけ他の作品が目立っていたということでしょうか。

この時期はループものが強いという印象があったのですが、ほとんど『まどか』と『シュタゲ』のイメージが大きいですね。

 

2012年 1位 - ガールズ&パンツァー【39票】

やはり現在でも大きな支持を受け、シリーズが展開されている『ガルパン』1位となりました。『スト魔女』に続き、萌えミリタリーもの(ありていに言えば女子学生が戦争ないし疑似戦争をするアニメ)の人気を決定づけた形になります。

ガルパン』については、TVシリーズの時点で支持は受けていましたが、劇場版の公開以降に本格的に人気に火が付いたような印象があり、後年になっての評価も大きいのかなという感じもします。

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - ガールズ&パンツァー【39票】

2位 - 氷菓【29票】

3位 - PSYCHO-PASS【26票】

4位 - 戦国コレクション【21票】

5位 - 戦姫絶唱シンフォギア【17票】

6位 - 人類は衰退しました【16票】

6位 - TARITARI【16票】

8位 - 新世界より【15票】

9位 - アイカツ【12票】

10位 - ココロコネクト【8票】

10位 - 中二病でも恋がしたい!【8票】

 

1位からやや票を空けて京アニの『氷菓』が2位になっており、一般文芸小説のアニメ化としてはかなり高い票数を獲得しました。

PSYCHO-PASS』や『シンフォギア』『アイカツ』など、後にシリーズ化された作品の1stシーズンが目を引きますが、6位から10位にかけて『TARITARI』『新世界より』『ココロコネクト』のような1、2クールの佳作もランクインしています。

戦国コレクション』はソシャゲのアニメ化として初期の作品であり、ややマニアックな内容ながら4位に入っているのは個人的に嬉しいです。

 

2013年 1位 - ゆゆ式【34票】

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まんがタイムきらら原作のアニメ化、そして「日常系アニメ」としては最も評価された作品の一つである『ゆゆ式』が2013年の1位となりました。

ゆゆ式』の魅力を言語化するのは難しいですが、テンポよく交わされるとりとめのないやり取りの快さであったり、三人らを中心としてゆるくまとまった博愛的な関係という形でしょうか。

レイアウトやキャラクター芝居の面でも評価され、キネマシトラスはこの作品を機に、ハイクオリティな作品を生み出すスタジオとして台頭していきます。TVシリーズの放映後は単発でOVAが出たのみですが、第2期を望む声も根強くあります。

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - ゆゆ式【34票】

2位 - キルラキル【24票】

3位 - 凪のあすから【21票】

4位 - ガッチャマン クラウズ【20票】

5位 - ガンダムビルドファイターズ【15票】

6位 - 革命機ヴァルヴレイヴ【13票】

6位 - 進撃の巨人【13票】

6位 - のんのんびより【13票】

9位 - 有頂天家族【11票】

10位 - 銀河機攻隊 マジェスティックプリンス【10票】

10位 - 翠星のガルガンティア【10票】

10位 - プリティーリズム・レインボーライブ【10票】

 

2位『キルラキル』から6位の『ヴァルヴレイヴ』までをオリジナルアニメが占め、これらラインナップを押しのけて『ゆゆ式』が1位になったことは地味に凄い気もします。

『マジェプリ』や『ガルガンティア』を含め、ロボットアニメのオリジナル作品が多く出た年ですね。『凪あす』に『有頂天家族』と、P.A.の快進撃も続きます。

進撃の巨人』や、今年完結した『のんのんびより』などは、ブランクを挟みながら長期間にわたりアニメが展開されました。

ラブライブ!』の1期【9票】が、『プリティーリズム・レインボーライブ』に僅差で負けて惜しくもランク外という結果になりました。

 

2014年 1位 - SHIROBAKO【44票】

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花咲くいろは』に続くP.A.WORKSのお仕事アニメとして『SHIROBAKO』が2014年の1位になりました。丸ごとアニメ制作の舞台裏という題材でTVシリーズのアニメをやるのは前代未聞の試みでしたが、水島努監督らしい緩急のついた演出で手堅くまとまっていました。

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アニメ業界を描いた群像劇として、クリエイターとしての苦悩もそうですが、キャリアパスについての葛藤などが個々のキャラにおいて描かれるという意味で出色の出来であったと思います。昨年にはTVシリーズから5年越しに劇場版も公開されました。

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - SHIROBAKO【44票】

2位 - ピンポン【23票】

3位 - ご注文はうさぎですか?【15票】

4位 - スペース☆ダンディ【14票】

5位 - 四月は君の噓【13票】

6位 - 未確認で進行形【12票】

6位 - 結城友奈は勇者である【12票】

8位 - 月刊少女野崎くん【11票】

9位 - ガンダム Gのレコンギスタ【10票】

9位 - selector infected WIXOSS【10票】

 

『ピンポン』や『君嘘』、『野崎くん』から『ごちうさ』『未確認』といったきらら系にいたるまで、漫画原作が堅調な印象を受けます。特に4コマ漫画が人気の年でした。

『ピンポン』は’10年の『四畳半』以来の湯浅監督のノイタミナ作品であり、全話の絵コンテを担当、最高傑作との呼び声も高い作品となりました。

『ピンポン』は最終話の演出で、LINEやTwitterの画面を分割画面で出したり、ポップアップでLINEのコメントを出したりしていたのですが、LINEをアニメの演出で使った最初期の例かなと思います(LINE演出はこの後『ここさけ』で使われてから増えるイメージ)。

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『未確認』や『野崎くん』のランクインから、既に『ゆるゆり』や『GJ部』をヒットさせていた動画工房のプレゼンスがこの時期あたりで上がって来ていることも伺えます。

『結城友奈』『WIXOSS』といった現在も展開中の百合もののシリーズもこの年から始まっていました。

スペース☆ダンディ』は円盤売上が全然なかったらしいですが、4位にランクインしているのを見ると、批評的な支持はそこそこ得られているのかな、と思います。

 

2015年 1位 - 響け! ユーフォニアム【73票】

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2015年といえば、一にも二にも『ユーフォニアム』が絶賛された年で、2位以下に大差を付けて1位を獲得しました。この作品については作劇やキャラクターのレベルから、作画や演出スタイルのレベルまであらゆる側面から語られ尽くし、’10年代のTVアニメで最も被言及数の多いタイトルの一つではないかと思います。部活ものであり青春ものであり…ですが、シビアな現実も描いています。京都アニメーションの新たなスタンダードともなりました。

個人的には、同人誌企画にも参加したので思い出深いです。

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1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - 響け! ユーフォニアム【73票】

2位 - 放課後のプレアデス【35票】

3位 - 血界戦線【16票】

3位 - コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜【16票】

5位 - 蒼穹のファフナー EXODUS【14票】

6位 - アイドルマスター シンデレラガールズ【13票】

7位 - 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ【11票】

8位 - Go!プリンセスプリキュア【9票】

8位 - 落第騎士の英雄譚(キャバルリィ)【9票】

10位 - 聖剣使いの禁呪詠唱(ワールドブレイク)【7票】

10位 - のんのんびより りぴーと【7票】

10位 - ユリ熊嵐【7票】

 

1位の『ユーフォニアム』が2位の『プレアデス』の2倍以上、2位の『プレアデス』が3位の『血界戦線』の2倍以上の票を獲得するという、イレギュラーな事態になっており、それだけこの上位2作が圧倒的だったということでしょうか。

10年越しに制作された『ファフナー』の2期が5位に入っているのは地味に凄い。

ラノベ勢として『落第騎士』に『ワルブレ』もランクインしており、全体的にバトルものやアクションものが快調な年です。

のんのんびより』は2013年の第1期に続き第2期もランクインしており、人気の高さが伺えます。

プリンセスプリキュア』は、プリキュアシリーズとしては2010年の『ハトプリ』以来の5年振りのランクイン。また、’10年代のプリキュアシリーズで年度トップ10に入ったのはこの2作のみという結果になっています。

おそ松さん』【5票】、『ローリング☆ガールズ』【4票】、『Charlotte』【2票】といったオリジナル(または半オリジナル)の話題作が意外にもランク外となりました。

 

2016年 1位 - 響け! ユーフォニアム2【28票】

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前年に引き続き『ユーフォニアム』シリーズの『響け! ユーフォニアム2』が首位となりました。

鎧塚みぞれと傘木希美の関係が一つの焦点となっており、後の『リズと青い鳥』に直接繋がる作品でもあります。

2年連続で同一のシリーズが首位になるというのは驚異的なことですが、同時に、2期ものが1位になるというのは、2016年の他の作品に相対的に存在感がなかったということでもあります。

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - 響け! ユーフォニアム2【28票】

2位 - 昭和元禄落語心中【19票】

3位 - フリップフラッパーズ【17票】

4位 - この素晴らしい世界に祝福を!【15票】

4位 - Re:ゼロから始める異世界生活【15票】

6位 - ふらいんぐうぃっち【12票】

6位 - 僕だけがいない街【12票】

8位 - コンクリート・レボルティオ~超人幻想~THE LAST SONG【10票】

8位 - 終末のイゼッタ【10票】

10位 - 灰と幻想のグリムガル【9票】

10位 - Vivid Strike!【9票】

10位 - ユーリ!!! on ICE【9票】

10位 - ラブライブ!サンシャイン!!【9票】

 

ラインナップを見て分かる通り、わりと粒ぞろいの年です。まず、人気シリーズ『Reゼロ』と『このすば』の1期が放映されました。『僕だけがいない街』や『灰と幻想のグリムガル』は、1シーズンでまとまった、原作ものの良作です。オリジナルのタイトルとしては、百合ものの『フリップフラッパーズ』・『終末のイゼッタ』に加え、『ユーリ!!! on ICE』が目を引きます。

優れた作品は多いのですが、誰もが認めるような「2016年といえばこれ!」というタイトルがなく、多数の佳作に票が分散した結果、そこそこ人気のあった『ユーフォニアム』の2期が1位になったという見方もできそうです。同順位のタイトルの多さからもそれは伺えます。

ここまで来たらいっそ『フリフラ』か『落語心中』に1位を取ってもらいたかったところですが、どちらも中堅的なポジションに留まり、首位獲得まで至らなかった形でしょうか。

『ユーリ』の票数が意外に少なかったのは、何だかんだその後の展開が途絶えたのが大きい気がします(続編として劇場版の制作が発表されたものの、公開時期未定)。

ラブライブ!』のシリーズは2013年の1期が【9票】、2014年の2期が【8票】となり、いずれもその年のトップ10には入らなかったのですが、『ラブライブ!サンシャイン!!』【9票】でついに10位に並び、ランクインしました。

前年の第1期に次ぎ、『コンレボ』の2期が8位にランクインしています。

 

2017年 1位 - 宝石の国【36票】

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市川春子の漫画を原作に、『ラブライブ!』シリーズの監督や『プリリズ』シリーズのライブシーン演出などアイドルアニメで定評のあった京極尚彦監督が初めて手がけたフル3DCG作品です。3DCG作品としては唯一の首位獲得となりました。

CGスタジオのオレンジの持つ技術が題材にマッチしており、宝石の髪にはフォトリアル系のCGを取り入れたり、セルルックCGに留まらない表現の幅を見せました。

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - 宝石の国【36票】

2位 - けものフレンズ【34票】

3位 - プリンセス・プリンシパル【32票】

4位 - メイドインアビス【20票】

5位 - 月がきれい【19票】

6位 - 少女終末旅行【13票】

6位 - フレームアームズ・ガール【13票】

8位 - 小林さん家のメイドラゴン【12票】

9位 - リトルウィッチアカデミア【11票】

10位 - アイドルタイムプリパラ【8票】

10位 - ボールルームへようこそ【8票】

 

1位~3位がほとんど接戦になっているのが注目ポイントです。個人的にも、2017年の話題作といえばこの3作品だったなと感じます。オリジナルものとしては『プリンセス・プリンシパル』が強かったです。個人的には、4位の『メイドインアビス』はもう少し票数を獲得してもいいなと思います。

主に『けものフレンズ』や『宝石の国』に端を発してですが、3DCG作品のプレゼンスが一気に増した年です。

また、この時期から、いわゆる百合ものがガッツリ上位に入るようになってる感じがします。上位3作品に加えて『フレームアームズ・ガール』『メイドラゴン』『リトルウィッチアカデミア』など…もっとも、宝石に性はないのですが。

亜人ちゃんは語りたい』【4票】、『Fate/Apocrypha』【4票】、『エロマンガ先生』【3票】がいずれも思ったより低い票数でランク外だったのですが、どうもA-1 Picturesの作品はあまりこういう場で支持を得られない傾向にあるようです。

 

2018年 1位 - 宇宙よりも遠い場所【80票】

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「よりもい」こと『宇宙よりも遠い場所』が1位になりました。2011年の『まどかマギカ』【86票】に次ぐ80票を獲得しています(総合での投票ではないので、年をまたぐ比較に大きな意味はないですが)。

社会現象を巻き起こすといったものではないですが、着実にアニメファンの支持を集めた作品です。シリーズ構成は『ユーフォニアム』『ラブライブ!』シリーズと同じ花田十輝で、それに連なる女子高生の群像劇と言えます。

北米でもクランチロールで配信され、ニューヨーク・タイムズ紙に取り上げられたことも話題になりました。「女子高生みんなが何かする」という一見アニメオタクが好みそうな題材ながら、思春期の悩みやトラウマを友情を通して克服していくさまが普遍的として評価されたようです。

本作のメインスタッフが再び集結した映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』が来年に公開される予定で、期待を集めています。

 

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - 宇宙よりも遠い場所【80票】

2位 - SSSS.GRIDMAN【32票】

3位 - ゾンビランドサガ【29票】

4位 - ヴァイオレット・エヴァーガーデン【27票】

5位 - 刀使ノ巫女【14票】

5位 - ゆるキャン△【14票】

7位 - 少女☆歌劇 レヴュースタァライト【13票】

8位 - やがて君になる【11票】

9位 - ウマ娘 プリティーダービー【9票】

10位 - 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない【8票】

 

2018年は『よりもい』に限らず話題作が多かった年です。まずトップ3をアニメオリジナル作品が占めており、これは他に例を見ません。ジャンルとしてもティーンの青春もの、ロボットアニメ、アイドルものといった形で上手い具合にテイストが分かれています。

オリジナルの『GRIDMAN』『ゾンビランドサガ』『レヴュースタァライト』はいずれも今年に入って続編が公開されました。『ゆるキャン△』と『やがて君になる』のアニメはいずれもこの後数年にわたって漫画原作アニメのスタンダードになりそうな作品でした。2011年と並ぶような豊作の年だったのでは?と思います。

2期が大ヒットしたアニメ版『ウマ娘』の1期もこの年です。

また、『青ブタ』と『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(TV版)を除く?ほとんどの作品が百合として消費された作品と言えて、2017年に続いて百合系のアニメがいよいよ覇権になっている感じです。

 

2019年については前もって断りを入れますが、2019年が完全に終わらないうちに投票してもらった人が多いため、軽い参考程度に見てもらえればと思います。

 

2019年 1位 - まちカドまぞく【28票】

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’10年代最後を飾る2019年の1位は『まちカドまぞく』になりました。きらら原作のアニメとしては、2013年の『ゆゆ式』以来の首位獲得です。

桜井弘明さんの監督作としては久々の美少女アニメ、4コマ漫画原作のアニメでした。漫符やイメージBG、書き文字やテロップを多用する桜井監督のお馴染みのスタイルにキャラクターのポップさが合わさった楽しい画面、かけあいの中毒的なテンポ感、原作漫画ページの意匠を取り入れたOP・ED、大地監督や佐藤竜雄さんといったベテラン勢の参戦と見所の多い作品であったと思います。

来年の春クールより第2期の放映も予定されています。

 

1位以下のランキングは以下のようになっています。

1位 - まちカドまぞく【28票】

2位 - ケムリクサ【21票】

2位 - 私に天使が舞い降りた!【21票】

4位 - かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~【19票】

4位 - さらざんまい【19票】

6位 - 鬼滅の刃【14票】

7位 - 彼方のアストラ【12票】

8位 - Re:ステージ! ドリームデイズ♪【9票】

9位 - 荒ぶる季節の乙女どもよ【8票】

9位 - グランベルム【8票】

9位 - BEASTARS【8票】

9位 - ひとりぼっちの◯◯生活【8票】

9位 - 星合の空【8票】

 

1位が『まちカドまぞく』ですが、2位に『わたてん』が入っており、珍しく萌え4コマ作品が上位に入っています。『けものフレンズ』に次ぐ、たつき監督の作品として注目を集めた『ケムリクサ』ですが、『わたてん』と同順位という結果になりました。

『かぐや様』も『さらざんまい』と同順位で、2位~5位までがわりと接戦です。『さらざんまい』はそのポテンシャルを鑑みると、もう少し票を獲得しても良かったのでは?と思います。『鬼滅の刃』は、2019年の段階ではまだ6位に留まっています。

上記の作品以外にも『彼方のアストラ』『荒ぶる季節の乙女どもよ』『BEASTARS』がありますし、オリジナルアニメがそこまで目立たなかったためか、漫画原作が圧倒的に支持された年ですね。

9位に『星合の空』が入っていますが、2019年の末に放映された最終話がかなり物議を醸したため、後から選んだ場合もっと票数は低かったかもしれません。

 

まとめ

さて、2010年~2019年の年度トップ10が出たため、各年の年間ベストを獲得した作品を並べてみましょう。

10年:四畳半神話大系
11年:魔法少女まどか☆マギカ
12年:ガールズ&パンツァー
13年:ゆゆ式
14年:SHIROBAKO
15年:響け! ユーフォニアム
16年:響け! ユーフォニアム2
17年:宝石の国
18年:宇宙よりも遠い場所
19年:まちカドまぞく

 

こうして見てみると、男性主人公の『四畳半』と、キャラが無生物の『宝石の国』を除くすべての作品が女性主人公であり、メインキャラクターが女性で固められています。『まどか☆マギカ』『ゆゆ式』『まちカドまぞく』など、男性キャラがほとんど背景に退いている作品も目立ちます。

また、女性主人公の作品のうち、業界ものの『SHIROBAKO』以外の7作品は女子高生・女子中学生ものを占めています。

もちろん、この投票はアニメファン全体を対象に実施したのではなく、自分のTwitter上で近い界隈の人が多めだったりと、サンプルに偏りがある可能性は多分にありますが、深夜アニメのコアなファンや、玄人の人はそういうアニメを好みがちなのかもしれません。日本の深夜アニメってやっぱり偏っているのかな…?という感想も抱きました。

 

ですが、例えば京アニ作品は一貫して人気ですが、1位を獲得したのは『ユーフォ』のみですし、アイドルアニメや4コマアニメばかりが1位になるということもなかったので、日本のアニメはなんだかんだバリエーションの豊かさがあるんだなと思いました。

まどか☆マギカ』以外のシャフトアニメは、『3月のライオン』等も含め、ランキングトップ10にかすりもしなかったことは微妙に切なかったです。

 

もっとも、今回の投票は2019年末~2020年初頭に実施したものであり、今投票をしたらまた違った結果になりそうです。例えば2019年の6位の『鬼滅の刃』はもっと高ランクに来るのではないかと思いますし、2017年の『メイドラゴン』や2018年の『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『ウマ娘 プリティーダービー』も前より評価が上がっていそうです。

 

アニメファンの人は、自分にとっての「’10年代のTVアニメ各年ベスト」がどのようなラインナップになるか改めて考えてみると、自分の嗜好の傾向が分かったりして面白いのではないでしょうか。